現代に生きる寺院のあり方を、もう一度考えて整える。

薬王山豊善院 様

リブランディングの前の情報整理

大切に残すものと、新たに取り組むこと。

新たに入られた若いご住職のご相談から、このプロジェクトは始まりました。

400有余年の歴史を誇るお寺でありながら、現状は檀家もあまりなく、大きな祭事がない時は本堂は閉まり、人影のないお寺。そんなお寺を近隣のみなさまが気軽に集まれるような「お寺本来の姿」へ戻すことが、最大の目的です。

まず、手をつけたことが「残すもの」と「変えるもの」を明確にすること。「残すもの」はもちろんお寺や宗派の考え方や思想、つまり人の気持ちを大切にするということです。「変えるもの」は近隣のみなさまとの関係、そして開かれた印象をつくり、気軽に立ち寄れるようにすることでした。

よしっ、情報をわかりやすく発信しよう。

伝統を生かしたロゴ作り

難しいイメージを、わかりやすく簡単に。

仏教やお寺というと、なにか難しくて近寄りにくいイメージはありませんか?

本来お寺というものは近所の人の交流の場であり、困ったら相談へ行けるような場所でした。「駆け込み寺」という言葉も耳にしたことがあると思います。
とにかくわかりにくい、難しい、堅いを変えるため、まずはお寺の表記を「薬王山 豊善院」を仰々しい筆文字から、みんなが慣れ親しんでいる書体へ統一し、いつでもそれを使うようにしました。「教科書」に使われている書体です。「寺子屋」などの教育機関として使用されていたお寺にとって、ぴったりな書体であり、小さい子供でも優しく親しみやすい印象となりました。

新たなロゴマークは作れないので、整えた伝統の紋を使います。

ロゴをベースにした名刺デザイン
スマホに対応したWebサイトの必要性

お坊さんの名刺は、色んな気持ちの人へ渡ります。

お坊さんの名刺って見たことありますか?

お坊さんも名刺を持っています。ただ渡すタイミングは私たち一般のビジネスマンとは違います。時には癒しを必要としている人へ渡すこともあるかも知れません。それを考慮して「わかりやすい」「優しい」「包容力」をテーマに、名刺を作り直しました。

名前は大きくわかりやすく、優しい書体で、困った人が相談できる名刺になりました。

お寺もググる。

実はこれが今回のブランディングの鍵となる部分です。

近所に新しい住職が来たみたい、お寺に相談したいことがある、さぁどうする?
当然みんなWEBで検索します。他の業種や施設と違って敷居が高いので、予めHPで確認したいのです。開かれたお寺を作り、人に来ていただくには情報を開示し届けることがもっとも重要です。わからないことが多いから、警戒するのですから。

新しい寺院名の表記のもと、若いご住職の考え方やお寺の歴史や伝統、宗派の教えや年間行事に至るまで、HPを使って発信できるようにしました。

誰にも言えない悩みや、願いでもHPからなら気軽に問い合わせが可能です。みんなの悩みを聞いたり、助けになるという意味でHPはとても役に立つツールとなりました。(参考:https://houzenin.or.jp/

もちろんスマホにも対応させています。

リブランディンの効果を印象付けるツール

徐々に浸透し、やがて地場へ根付く。

最初に手をつけたブランディングは先述の「寺院名の表記」「名刺」「WEBサイト」の3つでした。これらの基本ツールを元に人が集まる仕組みを作らなければ本末転倒です。
今では納骨堂も建設し、折込チラシなども行なっていますが、それらはすべて最初の3つに関係しています。

チラシを折り込めば、エンドユーザーはWEBサイトをチェックします。そこには安心を与えるだけの情報があり、寺院へ問い合わせる、もしくは足を運ぶという行動を誘引します。
人が足を運び、寺院が賑わえば、おのずと近所の評判となります。
結果、少しずつ活気が戻り、今では習字教室を行ったり近所の子供達も立ち寄るようになりました。

もちろん、ご住職が行なっているボランティア活動や地域のみなさんとの触れ合いも忘れてはいけない要素です。

みなさんもお近くへお越しの際は、お気軽にお立ち寄りください。

ますますの発展

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